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Youtubeにビートルズの音源をアップしてみました!

…あくまでも、著作権の所在確認のためです

ビートルズの音源の著作権について、法律事務所の方が分かりやすく説明してくれているページを見つけました。❤

骨董通り法律事務所

…要約しますと、

  • レコードの「音源」としては公開後50年で著作隣接権が切れたものもある。(1967年以前に録音されたもの)
  • ただし、曲の著作権はいずれも消失していない。(ポール・マッカートニー没後70年間)

結論:ビートルズは音源もカバー曲も、Youtubeで公開はできない。

 

わたしは、「曲の著作権」が消失しているクラシックの曲のうち、1967年以前に録音された音源を用いて、Youtubeでご紹介動画を公開しています。

…そうしましたところ、これまで何度か「あなたのアップした動画に含まれる音源は、我々の著作権を侵害している!」「使うなとは言わない。だが、この動画による収益は我々がいただく!」というクレームを受け取ったことがあります。

…そして、権利者を名乗る「???」な団体の名前と、著作権侵害に当たる音源の名称が記載されています。

パブリック・ドメインについては、今のところ全勝です♪

古いクラシック音源以外の曲を使っておられる方の例は、存じ上げないのですが、わたしの場合、「これ、パブリック・ドメインですけど?」と異議申し立てを行い、先方が主張を引っ込めなかったことはありません。(ただし、同じ音源を使った動画をアップすると、また同じクレームがやってきます。。)

フルトヴェングラーの音源について、ワーナー社に問い合わせをしたお話と、パブリック・ドメイン化したクラシック音源の見分け方については、リンク先の別ブログをご参照いただけましたら幸いです。

以下は、これらを受けて「やってみた!」ことのご報告です。

ビートルズの音源をYoutubeにアップし、確かめてみたかったふたつの疑問
  • 「勝手に使ってもいいけど、収益は我々がいただく」というようなことを、正規の音楽レーベルが行うものでしょうか?「正規の手続きを踏んで、こちらが許諾する条件下で有料で使用してください」と言いそうですが。。
  • 「誰が権利を有しているのか?」が単純に知りたかったです。

…結果、以下のようになりました。

 

音源:Love Me Do[1962]

対応:動画の公開禁止

著作権者:

  • LatinAutor … 怪しい。著作権詐欺業者としてリストしているページもあり。
  • UMG … ユニバーサル・ミュージック。音源の権利を有していると思われる。
  • SOLAR Music Rights Management … 不明。情報がないので、怪しいです。
  • Downtown Music Publishing … ジョン・レノンの権利関係を管理している模様。
  • Kobalt Music Publishing … ポール・マッカートニーの権利関係を管理している模様。
  • EMI Music Publishing … はい。EMIですが、もうこの会社もレーベルも存在していません。Youtubeの削除漏れかもしれません。

わたしが知っている一番古いビートルズの曲を、アップロードしてみました。(ビートルズのアルバムは「赤ジャケット」と「青ジャケット」を持っています)

…権利関係が複雑になるのは世の常ですが、「収益はうちがいただく!」ではなく、「そもそも動画を公開設定にできない」というのは、腑に落ちます。また、音源そのものは著作隣接権が失効していますが、作曲者の権利はまだまだ有効ということのようです。

 

音源:A Long and Winding Load(Remasterd 2015)[1970]

対応:動画の公開禁止

著作権者:

  • LatinAutor … 既出のとおり、おそらく詐欺。
  • Sony ATV Publishing … マイケル・ジャクソンからビートルズの権利を買った会社。
  • UMG … ユニバーサル・ミュージック。
  • UBEM … 不明。Youtubeから権利主張者の身元が辿れないシステムが、まずだめだとおもいます。。
  • SOLAR Music Rights Management … 再び登場。謎です。
  • LatinAutor – SonyATV … ごめんなさい。。詐欺認定していいですか?

この曲は1970年に発表されたようですので、普通に音源も著作権も、50年→70年の延長対象に含まれています。ジョン・レノンとポール・マッカートニーの権利管理会社がこちらに名を連ねないのは、作曲後56年後に著作権は作曲者の手に戻るというアメリカの法律があるらしく、それに当てはめると、2026年にはこちらの曲も作曲者の管理下に入るということになるでしょうか?

「動画の公開禁止」も納得できます。

 

音源:Help!(Remasterd 2009)[1965]

対応:動画の公開禁止

著作権者:

  • LatinAutor … 詐欺なのでしょう。
  • UMG …ユニバーサル・ミュージックです。
  • UBEM … 不明です。
  • Sony ATV Publishing … 2021年にポール・マッカートニーに権利を渡すと予想されます。
  • SOLAR Music Rights Management … ほんとうに情報がありません。
  • UMPG Publishing … ググってみたところ、かなりの悪質業者のようです。
  • LatinAutor – SonyATV … 既出。調べていませんが、怪しいです。

「ぎりぎり著作隣接権が切れている音源」をわたしの知識で、ビートルズの曲の中から選んでみました。

おそらく「UMG」が音源を、「Sony ATV Publishing」が曲の著作権を有しており、「音源の公開禁止」という措置を取っていると考えられます。…他は、手段は分かりませんが「自分たちに権利がある!」と、手当たり次第にYoutubeに申請をし認可され、、…ただし上記ビートルズの音源については、「使っていいから収益よこせ!」が正規の権利者によって阻害されている状況と考えられます。

まとめです

「勝手に使ってもいいけど、収益は我々がいただく」というようなことを、正規の音楽レーベルが行うものか?

→そういうビジネスモデルもあるのでしょうが、「知らないうちに勝手に使われる」ことをYoutubeが放置できない&個別対応ができないために、このようなシステムが存在するのだと思われます。ですが、一律「公開禁止」の方が、現状ではまだ穏当ではないでしょうか?少なくとも、詐欺団体にビジネスチャンスを与えませんから。

「誰が権利を有しているのか?」が単純に知りたかった。

→こちらは、大変勉強になりました♪「音源」と「曲の著作権」両方の問題があること。わたしはマーラーよりも新しいクラシックの曲を取り扱う予定がないので、あまり意識しておりませんでしたが、「音源の著作隣接権が失効していても、曲の著作権は有効」というケースがあるということを知ることができました。

 

今、Public Domain WMGとかなんとか名乗る団体から、フルトヴェングラーの音源について「使ってもいいけど収益はこちらがもらうよ」と言われているわたしですが、まだ先方からお返事がなく、このまま30日が経過すると、こちらの主張が認められたことになります。

…そちらの結果も、だんだんと予想がついてまいりました。ブログでご報告すると同時に、メールでの質問に回答してくださったワーナー社にも、経緯の報告を依頼しようとおもいます。

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