著作権切れクラシック音楽チャンネルを運営しております^^;
宣伝みたいで恐縮なのですが、このようなYoutube動画を配信しております。(冒頭からビートルズと無関係ですみません。m(_ _)m)
【人類フルトヴェングラー計画】
フルトヴェングラーという、存命中から伝説化し、そして今でもその録音を楽しめる指揮者をはじめ、著作権の切れた音源をご紹介しております。(毎週日曜日の10時に、新しい動画を公開しています)
フルトヴェングラー(1886-1954)の演奏記録の著作権(正確には著作隣接権)は、死後丸々50年が経過した2005年に失効しています。以来、「盤起こし」と呼ばれる、「レコード会社が保有している劣化したマスターテープよりも、LPレコードの方が音がよい!」という謳い文句で、同じ演奏なのに無数のCDが販売されるという、異常事態も発生しております。
また、存命中の音楽家であっても「発売日から50年」で、やはり著作隣接権は失効するという解釈もあり、そうすると今年が2019年ですから、1968年以前に録音された演奏であれば、誰もが自由にその演奏を使えるということになります。
文化庁のサイトにある情報が、さすがに最も正確かと思いますので、リンクをご紹介しますね。
ここからわたしが読み取ったことを、まとめさせていただきます。(間違っていたら、ご指摘いただけると助かりますm(_ _)m)
- こと「レコード」については、「レコード発行後50年」だった。(著作権者の生死とは無関係に?)
- だったというのは、TPPの影響で50年→70年と延長になったから。(2018年12月3o日付で)
- 著作権を50年から70年に延長するという措置は、先にアメリカが実施しており、当時はそれによる影響が最も大きいであろうコンテンツから「ディズニー法」と揶揄されましたが、今回は実際「ビートルズ法」とも呼ばれているようです。
- ビートルズのレコードは、多分1960年台に集中しているでしょうから(適当ですみません)、今回の法改正で、「2010年代に失効する」ものが、「2030年代に順次失効」となったと考えられます。
- ただし、一度失効した著作権が、今回の法改正で復活するという解釈は今のところないそうです。
…こう見てみると、ビートルズの、1967年以前に発売されたレコードについては、すでに著作隣接権が切れていると、解釈できそうですね。
さしあたってわたしへの影響をまとめてみる
ビートルズの音楽を自分のYoutube動画に使うかと言われれば、その予定はとくにありません。法解釈にも自信はありませんし、わたしが「使ってよい?悪い?」の判断材料としているのは、以下の基準です。
- 「盤起こし」が出回っている演奏、指揮者のものは、使ってもよさそう。
- 指揮者が1967年よりも前に亡くなっている演奏は、使ってよさそう。
- ただし、1954年没のトスカニーニの「盤起こし」はあまり見かけないことから、米国製の音源は別に考慮すべきと思われる。
わたしの好みに沿った人選ですが、指揮者別に「演奏を勝手に使ってよいか?」を整理してみます。
- ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954):問題なし。
- アルトゥーロ・トスカニーニ(1867-1957):アメリカ亡命後の録音については、あやしい。
- ウィレム・メンゲルベルク(1871-1951):問題なし。
- ブルーノ・ワルター(1876-1962):アメリカ亡命後の録音については、あやしい。
- ハンス・クナッパーツブッシュ(1888-1965):問題なさそう!パルジファルもブル8もワルキューレ第1幕もご紹介できてしまう!?
- エドゥアルト・ファン・ベイヌム(1901-1959):ステレオ録音も多いが、多分問題なし♪
- カール・リヒター(1926-1981):有名な「マタイ」の録音は1958年ですが…、買って聴きましょう♪
- ディヌ・リパッティ(1917-1950):OK。指揮者ではありませんが。。これは、ご紹介したいです!!
…こうやって見てみると、ほんとうに著作権の切れたマーラーの演奏はごく限られます。。
自分では聞かないのですが、マーラーの大家として知られたクレンペラーも1973年没で、著作権の改正の影響を受けます。(つまり、今後20年間は自由に使えるマーラー録音は増えない!)
ヘルマン・シェルヘンが1966年に亡くなっています。ほかは、わたしの知るかぎりは、ほんとうに皆無です。。
【2019年7月5日 追記】
Youtubeに特化した情報なのですが、こちらのブログ記事にて、著作権保有者からのクレームと、そういうったクレームを不正に行う団体について、ご紹介しております。
…こちらの記事を書いていて思ったのですが、ビートルズほどのコンテンツであれば、Youtubeに違法にアップロードした段階で、「ダメ!使わせない!」と反応があるはずとおもうのです。
たとえばYoutubeで、「beatles help full album」と検索すると、本家「The beatles」以外のアカウントのコンテンツが、いくつもヒットします。「ヘルプ!」というアルバムは1965年発売ですから、TPP11の影響を受ける日付「1967年12月30日」以前の録音ということで、すでに著作隣接権が切れていると解釈することもできそうです。
…一番最後のビートルズのアルバム「レット・イット・ビー」が1970年発売とのことで、「beatles let it be full album」などと検索しますと、やはり、相応数のコンテンツがヒットします。
ビートルズ法とも呼ばれるTPP11ですが、どういうことなのでしょうか?ロシアとかでは著作権の延長がなされておらず、そういった国々が、好き勝手にアップロードしているということなのでしょうか?
今日来てたんですけどね、侵害のお知らせが。
突然に申し訳ありません。
少し話をしていきます。
https://youtu.be/fZiWV9zxxmk
(冒頭クレンペラーにかかりました。 反論すべきかどうか微妙な所な理由を書きます。)
私も結構前からYoutube等で音楽を使いたいと思っていた頃に
著作権について調べたことがあります。
音楽ものに関しては本当に複雑で、
単純にとは行きませんでしたが、私の感触では結局次のような感じです。
まずインターネット上ではアメリカが大きな問題になるようです。
(ヨーロッパの法律とアメリカの法律に大きな違いがあったためです。)
特に音楽関係の場合問題なのが、
レーベル、メーカーの買収統合と判例にあるらしい録音の個別契約(著作権の譲渡・同等の権利)ではないかと。
その結果、今現在ほとんどの音楽会社が統合され、アメリカに本社があるようで、
アメリカの法律の影響を受けます。
(既にヨーロッパや日本で終わっていたものまで回復したかどうか?)
切れる前に譲渡されたものは当然そのまま継続してアメリカ法で保護されるものが最終ですが、
この合併したり本社移転した年がハッキリしないと微妙な時期のものが困ります。
ヨーロッパ レコードは基本的に著作隣接権中心。ほかにレコード保護条約。
日本 戦前 実演家も著作権者
死後30年(後に延長の時期が不明)または実演から50年の長い方 +外国作品は戦時加算最大約11年
日本 1970年から 著作隣接権 影響のうちに昨年までの50年
アメリカ 著作権は登録制 更新手続き必要 ここからのウルグアイラウンドの関係で
職務著作物が95年間の保護期間になったことで
多くのものの権利が切れないことになったようです。
(その為 昨年時点で1923年以前に発行された職務著作物の権利は確実に終了
著作者本人の著作権は通常通り)
そこで、ようやくクレンペラーの話ですが、
1927年~1928年の録音でした。ポリドールはドイツの会社で、
使用した盤は日本製の日本発売版、ドイツの法律と日本の法律上、終了していたと思うのです。
隣接権は規定後延長を繰り返しても最長50年、戦時加算を含めても60年少々、1988年前後には終わります。
(この時点ではアメリカは関係ないはずです。)
また日本に関して、旧法では長い方、となるので死後30年(または延長で最長40年)、
+戦時加算・・・はドイツには同盟国なのでかからずのはずですが、
これも本社がその間に連合国側に移っていた場合分かりません。
その最大の場合に2024~2025年になる可能性がありますが、
そうでなければ2013~2015年頃には確実に終わっているはずです。
最大の疑問が95年の件ですが、
日本で生産されたものを使用したので、その原盤との権利が別ならその盤の権利は終了のはずです。
もしも続いているとすれば、原盤の権利が消失する前に本社の移動で保護される法律が変わっていて、
更にアメリカに移った場合です。
その最長の仮定では・・・2024年頃という感じになってしまうのです。
その上に不明なのは編曲による著作権の発生でその場合、
死後○○年とメーカーに関係があるかという問題が残ります。
一方で、原盤が消失している場合実際にはメーカーは権利を主張出来るのか?
・・・という疑問もありますが、契約書等と同じように確認のしようがありません。
まとまりの悪い話でしたが
国内利用に限れば終了しているものも多いというのも事実だと思います。
いろいろ さま。
コメントをいただきまして、ありがとうございます。
無責任なことは申し上げられませんがわたしは、いろいろさまにお読みいただいたブログの自分ルールに則りまして、いままでYouTubeで「パブリック・ドメイン」であるという主張を10件以上認められ、一度も再通知を受けたことはありません。
いろいろさまがおっしゃられますように、「北米」が絡みますと、途端に事情が複雑になりますので、わたしはアメリカ亡命後のワルターおよびトスカニーニの音源につきましては、採用しない方針を採っております。(ワルターの1939年ウィーン・フィルとのマーラー9番は、問題なくアップロードできております)
クレンペラーは、わたしルールではバルビローリと同様「アンタッチャブル」扱いとなっておりまして、没年で申しますと、ヘルマン・シェルヘンまでが、まとまった録音を遺した指揮者のパブリック・ドメインとして使用できそうな最新かな?と考えております。
貴重な情報を記載いただき、本ブログをお読みくださる方への有益な判断材料となりますこと、御礼申し上げます。
どうぞ今後とも、よろしくお願いいたします。
よるそら。
人類フルトヴェングラー計画経由で、こちらのブログにお邪魔させていただきました。
パブリック・ドメインとして、クレンペラー、バルビローリ、セル、カラヤン、バーンスタイン(マーラー の旧全集の一部も)の録音も、全部ではありませんが、「クラシック音楽へのおさそい〜Blue Sky label〜」というサイトで公開されています。
個性的な演奏も多く、とても重宝しています。
ご参考までに。
Paul Wernickeさま。
コメントをいただきまして、ありがとうございます♪
サイトのご紹介も、ありがとうございます。
最近は、特にWestminster系の録音について、権利者代行を謳う業者がいて、それが正規の権利を有する団体なのかどうか、不明ではありますが、段々と難しい世の中に、なってまいりました。。
どうぞ、今後ともよろしくお願い申し上げます。
よるそら。