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古市憲寿さんをミーハーに論じてみる

イケメン批評家の系譜

…わたしはテレビを観ないものですから、昨年くらいからネットのニュースで見かけるようになった「古市憲寿」さんが「ふるいちのりとし」さんとおっしゃることは、ついさっきまで存じ上げませんでした。

「炎上商法で名前を売るタイプのアカデミックなタレントさん」という、なんとなくのイメージしか持っていなかったのですが、この方の「記事」を少し前に読みまして、色々と腑に落ちましたので、ミーハーな感じで論じてみたいと思います❤

 

まず、この方を忘れるわけには参りませんでしょう。

東浩紀(1971-)

この「著者近影」とともに出版された「存在論的、郵便的」は、分かりやすくポスト「構造と力」、ポスト「浅田彰」(1957-)として、思想・批評界でもてはやされました。

その後、「現代思想界で喰っていけてるのは東浩紀だけ!」と言われるほどの一人勝ちの時代を経て、…ですね。今、「東浩紀 画像」で検索すると、…いえ!悲しくなんてなりません!!とある一時期、東さんは間違いなく、わたしの「アイドル」だったのですから!!!

文学者というだけでイケメンだった時代

イケメン(?)

…冷静に写真と向き合えば、多分に疑問符はつくのですが、芥川龍之介とか、太宰治などが一般的な意味での「イケメン」ではないにも関わらず、「イケメン的」雰囲気をまとっていることは、多くの方に同意をいただけるのではないでしょうか?

そんな中、とくに中原中也(1907-1937)などは、

こ〜んなお顔の詩人さんですから、こちらはもう、保留なしに雰囲気イケメンと言えるでしょう♪

…ですが、このお写真も、あと夏目漱石などもそうですが、現代で言う「美肌モード」別名アンチエイリアスが施されています。むしろ写真が貴重だった時代には、美肌加工を施すことは常識だったようです。あしからず。。

そして、本ブログの真の主人公が、やっとここで登場いたします。

中原中也のフィアンセを奪った批評家、小林秀雄(1902-1983)です♪

舌鋒鋭く、物事の本質を見極める筆力を武器に、特にベストセラーの「小説」を残したわけではないにも関わらず、批評家として一家をなした知の巨人です。

わたしの偏見による人選ですが、小林秀雄→浅田彰→東浩紀と続いた「イケメン風批評家」の系譜の現在形が、「ふるいちのりとし」さんなのかな♪と、この方の文章を読むにつけ、思うのです。

 

一説には芥川賞に推す声もあるようですけれども、たとえば浅田彰氏は、ポストモダンと共に「誰だっけそれ?」という扱いになって久しく、東浩紀氏はふくよかに、、もとい、確かアニメの脚本を書かれたあと、物語をお書きになったり、多角的に活躍されており、いまさら「文学新人賞」でもないかと思われます。

ですが、「ふるいちのりとし」さんでしたら、まだお若いですし、純文学業界が「21世紀の小林秀雄」として売り出す腹づもりがあっても、全然おかしくないとおもいます!

…数年前に、テレビのタレントさんが芥川賞を受賞し、その裏話として、「当のタレントさんが純文学に興味を持っていることを知った編集者が、5年がかりで『育て上げ』そして芥川賞の受賞に至った」というニュースが少しだけ話題になりました。

芥川賞に象徴される「純文学」は、南総里見八犬伝のアンチテーゼとして考案され、そして文学への情熱(わたしは「真珠夫人」好きです)と商才を兼ね揃えた菊池寛(1888-1948)によって文化としての隆盛を極め、以降は菊池寛に匹敵する、圧倒的才能の出現を待望しつつ、ほそぼそと生きながらえていると、わたしは勝手におもっています。

平野啓一郎(1975-)という京都大学卒の方も、先のタレントさんと同じ手法で芥川賞を受賞しています。著者のキャラクターを武器に芥川賞で「箔をつける」ことは珍しくはなく、…でもやっぱり、「未完の大作家」であった芥川龍之介の名を冠する賞に、創設者菊池寛が込めた思いは、「芥川賞で箔がつく」才能ではなく、「芥川賞の価値を高めてくれる」才能の到来であることは、間違いないでしょう。

 

…もうひとり、比較する人物がいるとすれば、「オザケン」こと、小沢健二氏でしょうか?

リアルタイムで知っているわけではないのですが、オザケンが参画していた「フリッパーズ・ギター」というバンドは、雑誌のインタビューなどでは「ふるいちのりとし」さんばりの炎上商法でヘイト票をかき集め、生のインタビューになると、逆に借りてきたねこのように大人しくなるとかで「生出演に弱いパーフリ」などとも言われていたそうです。

翻って、文章で読むと知性に溢れ、テレビに出ると逆にバカッターのようなキャラ(らしい)という「ふるいちのりとし」さんの自己演出は、フリッパーズ・ギターとは真逆の、より高度な炎上商法を確信犯的に展開しているのかな?と。

 

とにかく、テレビの中のキャラクターとしての「ふるいちのりとし」さんは存じ上げませんが、この方の文章は、我が国が連綿と紡いできた「イケメン風批評家」の系譜に乗るにふさわしい、知性と筆力を備えている、そんなふうに感じます♪

古市憲寿さんをミーハーに論じてみる” に2件のコメントがあります

  1.  むしろ、貴女の痴女、否、才女そのものの文章には恐れ入ります。
     小生は、自分とは真逆の若さ溢れるインテリ・イケメンは生理的に苦手で、思い浮かぶ言葉は、「巧言令色、少なし仁」です。
     古市さんが、どのような著作を出されているか、どのような学術的成果を上げているかは全く存じ上げませんが、図書館にあるなら、自分の知力で理解出来るなら、読ませていただきたいと思います。

    1. 杉山さん。おはようございます♪

      とくにYoutube方面では、みなさまに色々とご心配をおかけし、申し訳ありません。
      あまりご心配をおかけしない方向で、楽しんでまいりたいとおもっております。

      わたしも、「ふるいちのりとし」さんの最初の印象は最悪で、別に「イケメン」とも思いませんし、価値なしでした。

      著書もあるようですが、ネット上にきちんとした寄稿がありますので、検索していただければ、容易に見つけられるかと存じます。(安倍首相が著名人と会いたがる理由というような内容の記事をみて、わたしは「なるほど!」と感じました。そこには炎上キャラはおりませんでした。。)
      …そして、当時の記事を探したのですが、見つけられませんでした。。話題性が先行し、この方自身の「文章」がいかに注目されていないかの証明にも感じます。。

      また、小林秀雄は別格として、浅田彰さんの「構造と力」は、最初の章だけを読めばよく、東浩紀さんの「郵便的」も同様に(一般読者に向けては)最初の章がすべてと思います。(あとがきで、序章の大切さを浅田彰氏から教わったのでそういう本にした、と本人書いております)
      東浩紀さんは、その後のサブカル系の評論はおもしろく、アニメは「物語」ではなく「キャラクター」を売る商売になったという分析は、とてもよかったです。

      杉山さんのドライブ旅行は、その後如何でしょうか?わたしもゴールデンウィークに、出雲と厳島神社を見てまいりました!

      今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

      よるそら。

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