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おしゃれなジャズをバッグのブランドに喩えてみる

ジャズって本当におしゃれ?

…10年以上、考えています。

「ジャズって本当におしゃれな音楽なのだろうか?」と。

そういう「雰囲気」があることは私にも分かりますし、実際ジャズ系の音楽が流れるお店のおしゃれっぽさも、存分に楽しんではいるのです。

それでも。。

「ルパン」はジャズ?

たとえば、「ルパン三世」の音楽って、多くの方が「ジャズっぽい」と感じることとおもいます。

私もそう感じますが不思議なことに、それが「普段自分が聴いているジャズとはちがう」とも感じるのです。。なぜか?

私の疑問を整理したものを、箇条書きで、できるだけ簡潔にまとめてみますね。

…そして、ルパンの劇中に流れる音楽で、おしゃれな曲って、どれか思いつきますでしょうか?

おしゃれなジャズ♪

あらためて真剣に考えてみると、けっこう、難しい問いです。。

正直なところ、ぱっと思い浮かぶものは、この1枚を除いてほかにありません。

【ビル・エヴァンス:ワルツ・フォー・デビイ】

 

もちろん、感じ方は人それぞれなのですが、そもそもこのワルツ・フォー・デビイを含めた「モダン・ジャズ」の特徴というのが、ビッグバンド・ジャズと同様に、別におしゃれなんかではないところに、問題の根本原因があるようにおもいます。

私見に過ぎませんがこのあたりが、およそファンがモダン・ジャズを好んで聴く理由ではないでしょうか?

「えっ?この演奏なに?誰?」

という出会いが、モダン・ジャズにおいてはものすごく、たいせつだと感じています。

それまで名前を聴いたこともないジャズ・マンの優れた演奏を発見して、「これ、いいでしょ!」みたいな自慢をしたがるとか。…従って「レア盤」にものすごく弱いのですね。我が国のモダン・ジャズ・ファンは。

僭越ながら私も、こちらの演奏をちょっと、ご紹介させていただきたいです♪

【ジョン・ヒックス・トリオ:枯葉】

とあるお店で、ほんとうに偶然に聴きつけたのですが、私のような半端者ではなく、日本で(「の」ではなく)ジャズを聴き込んでこられた方にもご試聴いただけたら、嬉しいです♪

 

…十分に熱気があって、別におしゃれとかではなくって、そして入門本で取り上げられるほど有名なミュージシャンでもアルバムでもないという意味で、私にとって一番「ジャズ的な出会い方」をした演奏が、こちらなのです♪

おしゃれってなに?

結局のところ、こんな風に総括できるかとおもうのです。

 

まさに、ワルツ・フォー・デビイです。観客の笑い声や、グラスのかちん♪と鳴る音まで含めたこの作品を聴けば、1961年6月25日にニューヨークのヴィレッジヴァンガードでその場に居合わせた人々が、いかに演奏に集中していないかをうかがい知ることができるかとおもいます。

と同時に、空気感も併せて録音されたこの作品が、やっぱり「ジャズが鳴っているおしゃれな空間」の典型なのかな?と。

おしゃれさをブランドに喩える

あまり意味はありませんが、「ジャズはおしゃれ!」は容易に成立しても、「おしゃれなジャズ♪」を挙げることはけっこうむつかしいと思う私の立場から、おしゃれなジャズの自薦を2枚ほど、バッグとかのブランド・イメージと絡めてご紹介申し上げます♪

…しょせんは私見でしかありません。ただ、ワルツ・フォー・デビイとミーツ・ザ・リズムセクションの2枚を挙げるにあたって、その「格」とか、「雰囲気」とか、「テイスト」などを、表現してみたかったのです♪

 

エルメスは、、調べれば調べるほど特別なブランドなので、モダン・ジャズという「マーケット」にはそれに該当するアルバムはないとおもいます。。

マイルス・デイヴィスの「カインド・オブ・ブルー」は?と思われる方は多いかもしれません。…でも、カインド・オブ・ブルーを「おしゃれ~♪」とか言ってしまってよいものか。。私にはそこが憚られます。

ブランドものにご興味のない方向けに、私の個人的な体験と感想でエルメスをご説明いたしますと、ずばり「商店街のおさかなやさん」です。

…銀座のエルメス旗艦店内を、買えもしないのにうろうろとしていたときのお話です。

華奢でとてもきれいなお姉さんが、iPadのケースを探していました。店員さんに、「これの色違いってないんですか?」と、ビビッドな青いクロコダイル製のケースを指さして尋ねました。

店員さんいわく、「今はこれしかありません。入荷の予定も未定です。ちなみに今ですと1,500,000円ですが、来月からは1,700,000円になります」

思いつめたような表情でしばらく悩んだあと、そのお姉さんは「これを、ください」と、カードの一括払いで購入していきました。。

お得意さまでもない限り、もう、そこにあるものから選ぶしかなくって、予約もできず、入荷予定も分からない。

エルメス銀座店は、どう考えても日本では一番大きな店舗だとおもうのですが、びっくりするくらいショーケースはガラガラで、夜8時のおさかなやさんの品揃えそのものでした。。

ブランド力ここに極まれり、と思い知らされた次第です。

 

ヴィトンくらいの、「高ぁ~い」というイメージと、ポピュラーさと大衆っぽさと、でもやっぱり欲しい♪というイメージから、「ブランドを超えていないブランド」の筆頭格として、ワルツ・フォー・デビイを当てはめてみました♪

そのくらい、両者とも分かりやすく消費者を満足させてくれる逸品だとおもいます。

 

プラダは、「マニッシュさ」から選んでみました。「男性的(だけどあくまで女性ものの)オシャレさ」という意味です。

アート・ペッパーご本人のイケメン・ジャケットと、モダン・ジャズとしては幾分おとなしめな演奏内容。そして、オーディオ・マニアの方にとってリファレンスとなる録音のよさを素養として持ち、「名盤なんだけど~?」という歯切れの悪さが、むしろブランドものの「テイスト」をうまく表現してくれているかな?みたいな。

 

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