on_gaku

こんな「第九」はいやだ!(いや、むしろいい?)

ご存知でしょうか?いまわたしたちが耳にする第九はすべて、作曲:ベートーヴェン、編曲:ワーグナー、作詞:シラーだということを

グスタフ・マーラー(1860-1911)の奥さんアルマ(1879-1964)の著書「マーラー」の中に、とても可愛らしいエピソードがあります。

ある年のアルマの誕生日に、マーラーはワーグナーが編曲した「ベートーヴェン第九」の自筆楽譜をプレゼントしたそうです。

「まあ、素敵!」

自らも作曲を嗜み、音楽の素養が高かったアルマはとても喜び、額に入れて部屋に飾りました。ところがしばらく経ったのち、ウィーン・フィルの楽団員がマーラー宅を訪れ、そそくさとその楽譜を持ち帰ってしまったそうです。

「よかった!ここにあったんだ!」と。

 

これこそが、こんにちわたしたちが耳にできる「第九」の楽譜であり、ベートーヴェン自身が作曲した「原典版」を聴く機会はほとんどありません。

では、ベートーヴェン自身が譜面に遺した「第九」本来の姿をお聞きください

※下記イメージをクリックすると、You Tube動画が再生され音が出ます。(しかもかなり前衛的です。。)

【ベートーヴェンの「第九」を、本来の姿に!】

…いかがでしょうか?

ワーグナーによる編曲以前は、「演奏不能!」とか、「楽譜にメトロノーム指示があるのでこんなことになっているが、ベートーヴェンが使っていたメトロノームがそもそも壊れていたのだ!」と散々に言われていたようですが、これが「作曲者本人が遺した『ベートーヴェン交響曲第九番第四楽章』」なのです。

動画の中でも触れていますが、これはヘルマン・シェルヘン(1891-1966)という指揮者さんが、「がんばってベートーヴェンの楽譜通りに第九を演奏してみようよ!」と、チャレンジしたものです。…ほんとう、楽団員さん、頑張られたと思います。。

 

…ただ、こうもお思いにはなられないでしょうか?

「わざわざ人が演奏するのではなく、今風な『お部屋で音楽作り』をすれば、もしかすると望外に素敵なアレンジも生まれるのでは?」と。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です