伊勢谷友介監督作品 セイジ -陸の魚-
じつは、とても好きな映画です♪
【セイジ -陸の魚-】
…ですので、近年は主に「俳優」として活躍され、「俳優」として麻薬取締法違反容疑で逮捕されてしまったことは、とっても残念です。。
あまりに残念なので、聖地巡りをして参りました❗💢
【伊勢谷友介監督作品 「セイジ -陸の魚-」ロケ地に行ってきました】
映画は、好き・嫌い、出来・不出来、面白い・つまらない、いずれも主観で判断してよいと思うのですが、わたしの場合、最初の「画」で引き込まれるかどうかで、「つまらなくても最後までお付き合いしよう!」と思えるかどうかが決定され、そして、「自分の中で許容できない下品さ」が現れない限り、最後まで視聴させていただくことがほとんどです。
その意味で「セイジ」はもう、最初の静止画っぽい動画のところでやられました。💦「これは最後まで観てしまうわ〜♪」と思った次の瞬間に、「下品」なリーゼントのあんちゃん(ごめんなさい。主観です。m(_ _)m)が登場し、「…やっぱりダメかも。。」と思ったところがめちゃくちゃよい人で、安心して最後まで楽しむことができた作品でした。
ですので、返す返すも残念です。。(T_T)
あまりメジャーではない映画のご紹介の多い当ブログですが、本作のオススメポイントは、
- 引き算でできあがっているエンターテイメント
という言葉で、推薦させていただきたいと思います。それほど分かりやすい映画ではないですし、意外とツッコミどころも多い作品です。気になったツッコミどころは、
- そんな買い物リストで、お使いが果たせるか〜い!
- 頻繁に時間軸が入れ替わり、混乱する。
ですが、主に引き算によって、分かりづらいなりに分かりづらい要素を、丹念に分かりやすくしようとしていると感じました。
また、どんな「憎まれ役」のキャラクターにも、愛される要素を与えてくれている点も、好感度が高いです♪
…ですので、ご本人が逮捕されて間もない現時点では、これが「最新監督作品」であることは、返す返すも残念です。。(T_T)
どんなに才能があっても、罪を犯してよい理由にはならない
これは当然のことですが、しかしながら、
- 犯罪を理由に芸能生命を絶たれたタレントさんは、あまり多くない?
- むしろ、犯罪によってタレント化する例も多い?
という現実もあるように感じます。
…という意味で、「許されるべきではない」ことなのかも知れませんが、しかし我が国は、麻薬取締法で死刑になる国ではありませんので、この方の人生はこれからもずっと続きます。今後は、ですね、表舞台に出ることは控えていただき、おとなしく、「売れない映画監督をやっていてくださいませ❗」…というのが、わたしの今の気持ちなのかも、しれません。m(_ _)m
一方で、今回ご紹介したい、別のケースがありまして、それは、
人として罪を犯してはいないけれども、作り手として許容してよいのかが分からない
…という、才能です。。
【ミスミソウ】
こちらの原作に当たるマンガ、その作者さんが、わたしにとってその実例に当たります。
じつはこの方、「ハイスコアガール」という別の作品で、ゲーム関係の版権問題が起こってしまい、こちらの作品は「絶版」となってしまってもいます。
…わたしにとっては、伊勢谷友介監督に対するものとまったく逆の感情なのですが、「才能に恵まれた作家さんだし、社会人として犯罪を犯したわけではないけれども、どうか、人類の秩序維持のために、この才能は『見出されなかった』ことになってほしい。。」と切に願ってしまっています。(ファンの方、ほんとうにごめんなさい。m(_ _)m)
…とてもファンとは言えませんが、ミスミソウもハイスコアガールも、わたしにとって「引き込まれてしまう」作品です。
そして、そうであるがゆえに、「ミスミソウ」はあまりにも恐ろしく、そして、それがその他の恐ろしい(非倫理的な)歴史的名作たちとは異なり、「人類の倫理観をダメにしそう」と強く感じられてしまうがゆえに。ほんとうに、切に、切に。。
簡単にあらすじをご紹介しますと、
- 都会から来たいじめられっ子の少女。
- いじめグループはエスカレートして、少女の家を放火する。両親が亡くなり弟も全身やけどの重体となってしまう。
- 犯罪に加担した同級生たちを、少女はひとりひとり殺害してゆく。
- 復讐の最後、いじめグループのリーダーと思しき少女とは、実は心が通い合っていて、殺害対象にはならない。
- 普通に会話して、「どうしてこんなことになっちゃったんだろう」などと、泣きながら抱き合う。
- 取り巻きが勝手に誤解し暴走して家族を殺された、というオチ。
…「不条理」を描きたかったのでしょうし、そこに青春の甘酸っぱい想いなどを絡めて、凄惨さを効果的に高めていますが、二度と観たくない、読みたくない、人にも勧めたくはない作品です。(とくに未成年には)
ハイスコアガールが絶版となった件などは、久しぶりに「日本にはやっぱり影のフィクサーがいて、巨万の富と権力を蓄えつつ、治安を維持しているのだ」と感じてしまいそうになった出来事でした。
最後に、「その他の恐ろしい歴史的名作」の私的リストです
ですが、これら「歴史的名作」は、倫理観を覆す、という意味ではミスミソウと同種の作品ながら、それをわざわざ思春期の若者をターゲットとして、その人格形成に対する甘言となることを意図してはいません。ザ・バニシングのジョルジュ・シュルイツァー監督も、エル・トポの我らがホドロフスキー監督も、視聴者の「倫理観を超えた自立性」を期待して、これら作品を世に問うています。
…もっと言えばミスミソウは、そこにニッチな需要があるからこういう作品を作った、という以上の「作り手の想い」を見出すことが、わたしにはできないのです。
人類の可能性に、きちんとこういう作品、こういう才能を淘汰できる未来がありますことを。
よるそらさんの残念な気持ちに同意です、我々は芸能界で活躍されている芸能人にその作品の素晴らしさから人間性まで勝手な善悪の印象を持ちすぎるのかもしれません、それほど役者の演技力は凄いと思うのと同時に私生活上の実情、実体がわからないためこのような事件で公になると社会的影響も大きくなりますね。なので実体不明の芸能人より懸命に頑張っておられるよるそらさんを応援していきたいと思っています。お疲れ様です。