そこにほくろのない自分と会ってみたかった
ほくろは個性。それが悪性のものであれば別ですが、存在を自覚して、おそらくすぐに処置するような人は少なくって、長い時間を「自分の一部」として過ごしたあとに、なにかのきっかけに「取ろう!」と決断するケースがほとんどだろうとおもいます。
私のほくろは、小学校高学年のころにはあったように記憶しています。学校で悪気のない悪口を言われたことが一度だけありました。他は特に気にすることなく、人生の半分以上の時間、私の顔のそこに、それは存在し続けました。
都内のパレスクリニックで1年近く、フォトフェイシャルを続けていた中で、最後の1回の照射の少しあと、「なんか取れそう」「小さくなっている」「このまま続ければなくなるのかも?」と感じましたが、結局そこでやめてしまいました。
殆どの良心的な医師は、可能な限り「外科手術」以外の治療を患者に勧めるものと、私は経験上考えています。…椎間板ヘルニアを患い、無理を言って手術をお願いした挙げ句、当日先生がインフルエンザで休んだ。。ということもあり、その後の先生の言動など、今考えるにそれは私のことを気遣ってくれての仮病だったのかな?と、思い返します。
リスクのない外科手術は、存在しませんから。
でも、一度きりの人生。そして、実感はまだないけれども、いつか、必ず終わる人生。
やらない後悔は、死ぬとき思い出しそうですが、やった後悔は、死ぬときほっとするだけなのかな。そんなことを考えて、今回処置を受けてみました!
新しい自分と出会うために。
煙が出る。。
私は手術を受けることに関して、エキスパートというわけではありませんが、医師が手術そのものと同じくらい、麻酔のリスクを懸念することは知っています。
「麻酔で気分が悪くなったことはありませんか?」
「今日の体調は問題ありませんか?」
共に問題ありませんと答えます。
続いて血圧を測り、これも問題なし。最後に、
「レーザーの電源を入れまーす。…この子の機嫌が悪い日は、手術はできないから〜」
機械のせいにしようとまでします。
フォトフェイシャルを都内で受けていたときも感じたのですが、「怖い処置」をする装置は怖そうな音を出します。…線香花火のようなYAGレーザーは「ぽっ。ぽっ。」とファニーですらありましたが、フォトフェイシャルは「ぴっ!ぴっ!」とより緊張感のある音でした。
すでにアイマスクをされ、機械を拝むことはできませんでしたが、排気音がします。
「麻酔でちくっとしますよ」
確かにちくっとはしましたが、フォトフェイシャルに比べればなんのことはありません。
そして、
「今から掃除機のような音がしますね。煙が出るので、それを吸い取ります」
「えっ?煙が出るんですか?」
思わず訊いてしまいました。確かに処置の内容は、ほくろの部位をレーザーで焼き切る、というものです。…煙が、出るんですね。。
そしていよいよ処置が始まりました。
「動かないでくださいね」
そう言われ、私は自分の痛み対策法、とりあえず息を吐き続けるモードに入りました。
怖いのは音だけ
ごーっという音だけがし、麻酔が効いている部位は、痛みも「なにかされている」感じもなく、先生の手の動きが分かるだけです。
(あ、焦げ臭い)
という瞬間は確かにありました。人肉(というか私の皮膚)が焦げる臭いって、こんななんだ〜と、少しだけ気持ち悪く感じました。
…なんでもそうだと思いますが、一番怖いのはそれが始まる直前で、始まってしまえばもう、どうにでもなれと肝が座ります。
「はい。終わりましたよ」
鏡を渡されると、事前に言われていたとおり、ほくろの位置に丸い灰色のパッチが貼られています。
「これを一週間、洗顔のたびに付け替えてください」
と渡されたものがこちらです。
自分で丸く切り抜いて使うようです。
「もし足りなくなったら、市販のキズパワーパッドなどを使ってください」
とのこと。
1週間後に予後診察の予約を入れました。
それまでは、洗顔時にはパッチを剥がし、洗顔後に再度パッチを貼るという生活が続きます。
ピアッシング後のファーストピアス2ヶ月装着に比べれば短いですが、来週まであまり人には会いたくはないかな?とは思います。
まだ麻酔も効いているのか、痛みもありません。
続きは一週間後の診察のあと、ご報告したいと思います。